不帰2峰中央〜X状ルンゼ [面ツルa] (Max.55°)

魔法の大雪原〜狭い溝 (本当は [面ツル b] を滑りたかった。)

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不帰2峰中央〜X状ルンゼ [面ツルa]滑走ライン

データ

備考

「面ツル」は「麺ツルツル」の略ではなく、波の表面の状態を表現したサーフィン用語で、風によるさざ波のない平滑な波面をこう言うそうです。

踏査記録

2007年1月21日

13:45 不帰2峰着 14:30 滑走開始(上部大斜面〜X状ルンゼ) 15:00 X状ルンゼ・唐松沢出合

メンバー: 小川
装備: ピッケル・アイゼン・ビーコン・ショベル・ロープ・ハーネス・ほか

暖冬の不帰2峰は晴天・微風。積雪内に目立った層構造はなく、徐々に密度を増す深雪のコンディション。

安定した雪と判断して、上部大斜面に滑り込む。久方の深雪滑走で、スラフにかなり戸惑う。やや傾斜が増してきたところで、スラントルールを当てて見るとすでに50°を超えていた。

柔らかな雪は、魔法のセーフティネットみたいに優しく体を受け止めてくれて、順調に下降していた。しかし、なぜかルートのイメージと違う細い溝の上に出てしまう。
真っ直ぐ滑り降りているつもりが、少し北峰寄りに流されてしまったのだ。

この溝は、ターンで通過するには細すぎる。逃げ道を探して見るが、遠目には平滑に見えた斜面も、実際はかなりの起伏があり、当初のテラインに抜け出すのは難しかった。

しばらくその場に立ち尽くしていたが、ようやく最善の策だと納得して、長い横滑りにかかる。やがて、十分な広さの斜面に出るが、ターンで滑りきる事の出来なかった落胆は大きい。雪の重みも増して、ヨレヨレの滑り。唐松沢に出る頃には青息吐息だった。

不帰2峰・上部フェースの滑走は、最初からクロアールに入るルートとは趣が変わっていて、とても新鮮な体験だった。また滑りたい!